コラム
刺繍データについて
40年ほど前は幅7cmほどのシャガードテープにパンチングマシーンで数値の穴をあけて、刺繍データが記憶させた、パンチカードを作っていました。
最近刺繍業を始められた方はなぜ普通のデータである、刺繍データをパンチカードと呼ぶのか、不思議に思われると思います。
初期の頃の名残で、今でも刺繍データの事をパンチカードとよぶことが多々あります。
当社が営業を開始した頃の刺繍データ製作は、まず刺繍にしたい、図案を投影機を使い拡大して、刺繍になる糸運びを全て鉛筆で書き込み、製図版に似たものに貼り付けてから、パンチングマシーンの針先でミシンの針が落ちるポイントをなぞりながら、1針1針製作していました。
パンチングマシーンは、入力したポイントから次に入力したポイントまでの距離を計算して、その移動距離分を紙テ-プの穴により、記録します。
そのテープをジャガードミシンに装着して、動かすと、ミシンが穴の有り無しを読み取ってミシンの枠が移動して刺繍が出来ます。
その頃、一番大変なのはデータを修正する事でした。
現在のようにパソコンで柄を確認しながら直すのではなく、紙テープを読んで、修正する部分を切り取り、作り直したテープを継ぎ足す作業を行います。それを何度か繰り返して完成させるため、現在と比べるとかなり手間のかかる作業でした。